ベロが痛い
ベロがピリピリしたり、口の中がカラカラ、ベロが熱い感じがすると実家の母が言っているのですが。
舌痛症(ぜっつうしょう)かもしれませんね。診断が難しいのですが、困っていること、ぜひ相談してください!
舌痛症とは?
やけるような(ヒリヒリ、カーッとした)痛みや、チクチク、ズキズキなどの刺すような痛みがあり、他に明らかな病態がない舌に明らかな炎症病態がない痛みの疾患です。
舌の痛みは、3つの原因があります
A 侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)
- 入れ歯等によるびらん(ただれ)や潰瘍で、入れ歯や折れた歯、虫歯でベロが傷ついた
- アフタ性口内炎(口内炎の中の一種を「アフタ性口内炎」といいます)
- 口腔カンジダ症(カンジダ菌は2人に1人のお口に存在しているカビでヨダレの分泌が少ない時、抵抗力がない時、起こりやすくなります)
- 口腔乾燥症(ドライマウスとも呼ばれ、薬の副作用、シェーグレン症候群などの疾患が原因の場合と、ストレスなどの精神的なことが原因の場合がある)
- 平滑舌(ザラザラしているベロがツルツルになってしまっている状態)舌乳頭(ぜつにゅうとう)の萎縮
- 難治性のびらん(ただれ) ・潰瘍
- 扁平苔癬(へんぺいたいせん:白い粘膜がベロを覆いしみたり、突っ張った感じがする)
- 舌ガン(均一でない腫瘍や白斑が出来るタレントの堀ちえみさんがなったのは舌ガンです)
B 神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)
- 三叉神経痛(さんさしんけいつう)
- 舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう)
C 心因性疼痛(しんいんせいとうつう)
- 舌痛症
- 口腔内灼熱感症候群
上記2つは同じ病態で、他のどれにも当てはまらない場合につけられる病名です。
舌痛症の診断がつけば、悪性ではありません。
(0.7~3%の人に発症すると言われ、特に更年期の閉経後の女性が10~20%とも言われています)
舌痛症は原因が解明されておらず、治療法が確立されていませんので、症状を軽くする治療法が用いられます。
舌痛症は慢性の痛みであることが多いので、痛みを除去するのではなく、うまくコントロールして日常生活に差し支えないよう生活の質を上げることが治療の目標となります。
また、舌痛症の患者さんはストレスを抱えていることが多く見受けられます。
不安やうつが痛みを増強している場合は、専門領域の受診をお勧めします。
舌が痛い場合はどの診療科に行っていいか悩むと思いますが、歯科医師は実に多くの舌を診ています。
病変があった時に気づくことも早いので、心配事がありましたらまずはご相談ください。